[廃屋]   : ……

[廃屋]   : …………

[廃屋]   : 島の一角に廃屋がある。

[廃屋]   : 荒れ果てた様子はずっと人の手が入っていないことを伺わせたが……

[廃屋]   : しかしそれにしても奇妙なことは、人の気配は無いのに自然の気配も無いことだった。

[廃屋]   : 周囲は不自然なほど静まりかえっ

[廃屋]   : ガン!!!

[廃屋]   : ガン!!! ガン!!!

[廃屋]   : 廃屋の中で何かが暴れる音がして、そしてすぐに。

[廃屋]   : ギュウィ……ギュウィイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!

[廃屋] 機械鋸の死運び : ずだん。

[廃屋] 機械鋸の死運び : 腐った壁をあっけなく機械鋸が両断する。

[廃屋] 機械鋸の死運び : 「……………」

[廃屋] 機械鋸の死運び : だらりと腕を弛緩。

[廃屋] 機械鋸の死運び : それは何を思うのか分からない。
それは何を感じるのか分からない。

[廃屋] 機械鋸の死運び : 不要な機能は、全て無い。

[廃屋] 機械鋸の死運び : それに与えられた唯一の命題は。

[廃屋] 機械鋸の死運び : 「お……おおおおおおおぉおぉぉおおぉおおおおおっっっ!!!!!!!!」

[廃屋] 機械鋸の死運び : それは天を仰ぐ。
己は解き放たれたのだと。

[廃屋] 機械鋸の死運び : 殺意に満ちた絶叫が木霊した。

[廃屋]   :